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新刊レビュー・赤月みゅうと『リンガフランカ!!』

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最近発売された赤月みゅうと先生の新刊本について、以前やったツイキャスとの関連で少し書いてみたくなったのでレビューしたいと思います。


【あらすじ】


『リンガフランカ!!』は2016年にティーアイネットより発売された、赤月みゅうと先生の七冊目の単行本。
裏表紙にあるあらすじは以下のようなものです。



レオとヒマリは飛行機で旅をしていたが、マシントラブルで島に不時着!島は少女ばかり108人の楽園だった!そしてレオは祭りの生贄として少女達に輪姦されてしまった!そんな中、レオは島で唯一の奴隷・カルアに連れられ、島の支配者・ペディと出会うのだった。
レオとヒマリは脱出できるのか!?
それともレオは生贄とされ続けるのか!?
赤月みゅうとの創る至高のハーレム開幕!!




ちょっとこれだけ読んでもわかりにくいのですが、ようするに、不時着した場所が女だらけのハーレムだった…というようなお話です。



【赤月流ハーレム】


赤月みゅうと先生と言えばとにかくハーレム作品で有名です。
そしてさらに、先生の書くハーレム作品は、全体として極めて一貫した方向性を持っています。


「赤月流ハーレム」とでもいうべきこの方向性については以前のツイキャスで詳しく分析しましたが、ここでもう一度、箇条書きで整理したいと思います。



「赤月流ハーレムの法則」
1)「人間を非人間化するシステム」としてのハーレムが描かれる。具体的には、
    1a)<ゾンビとしての美少女>十分に個別化されていない、交換可能な存在としての美少女が大量に(二ケタ以上)存在する
        →これによって、美少女がハーレムの「駒」として、非人間化されている様子が強調される。
    1b)<管理ハーレム>自由意思でなく、権力や管理によってハーレムが運営されている。
        →ハーレムがシステムとしての性格を持ち、人間性を奪うものとして描かれる。
    1c)<ズレた中心>欲望の主体たる男性とは別に、ハーレムを生成し管理する中心が存在する。
        →男性主人公すら、ハーレムの「駒」に過ぎないものとして描かれる。
2)主人公の「罪の自覚」によってハーレムが破壊されることで物語が終幕する。



エッセンスだけ抜き出せば、『少女×少女×少女』から『奴隷兎とアンソニー』まで、短編から長編まで、すべて以上のような構造を持った話だと言えます(『なつみつハーレム』がどのように位置づけられるかなど、細かい話についてはツイキャスを聞いてください)。


『少女×少女×少女』収録の中編「祭子」を例にとれば、例えば、同作には主人公を十数人の美少女が取り巻くハーレムが描かれますが(<ゾンビとしての美少女>)、彼女たちは恐怖によってハーレムの中に閉じ込められています(<管理ハーレム>)。ハーレムを作り出し、恐怖によって維持しているのは、主人公の父親です(<ズレた中心>)。最終的には、(ネタバレなので詳述は避けますが)主人公が自分の中にある暗黒面を直視することで、ハーレムが崩壊し物語が終わります(「罪の自覚」)。


一応ハーレムを売りにした作品のはずなのに、妙にハーレムに対する後ろめたさというか、自己否定的モラルのようなものがあるのが赤月みゅうと作品の面白さです。



【罪のないハーレム】


『リンガフランカ!!』も、ほとんど以上に挙げた「赤月流ハーレムの法則」に沿った作品と言っていいでしょう。
108人の美少女が登場し(<ゾンビとしての美少女>)、主人公を取り巻きセックスを迫るわけですが、結局このハーレムを運営しているのはペディという少女であり(<ズレた中心>)、美少女たちと主人公の生殖は彼女の完全な制御下にあります(<管理ハーレム>)。


そういうわけで、本作も基本的には今までの赤月みゅうと作品の延長線上にある作品だと言えます。これを「同じテーマへのこだわりが凄い」ととらえるか、「依然と同じような話で飽きてしまう」と捉えるかは人によって分かれるところでしょう。個人的な感想としては、クオリティは高いなと思いつつ、さすがにやや食傷気味かなというのが正直なところです。


ただし今までから変化した部分はないのかといえばそういうわけではなく、今まで赤月ハーレム作品のエンディングのコアをなしていた「罪の自覚とハーレムの破壊」という要素が本作からはすっぽり抜け落ちていた点は、新しい部分かなと思いました。


オチにかかわるので詳述はできないのですが、本作においては島の支配者であるペディが徹底的に悪の象徴として(そして対立するカルアが善の象徴として)描かれ、主人公は彼女の企みに巻き込まれるだけです。それゆえに、ハーレムのもつ問題が追求される段になったとしても、主人公の中の罪が問われるという展開にはならないのですね。


そのある種の能天気さに保証される形で、本作の終わり方は「ハーレムを破壊し、ハーレムの外に出る」という赤月みゅうと作品の王道を崩して、「外の世界に迷惑をかけないように、ハーレムそれ自体を外に出す」というものになっています。
ハーレムの中にある問題、主人公の中にある問題、そういった赤月作品の「暗さ」の基底をなしていたものにはあまり重きが置かれなくなっており、楽しくハーレムし続けよう!というような比較的明るいラストです。ハーレムものとしては逆に王道回帰かもしれませんね。



【コマ割りの実験】
ここまではシナリオ面の話をしてきましたが、本作は漫画表現の面でもいままでにない工夫がなされています。
一例としてフェラシーンのコマ割りを2ページ分取り上げましょう。
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以上の例では、フェラの様子をミドルショットでとらえたコマと、舌や口の動きをアップでとらえたコマが繰り返し映されています。
「ミドルショットで情景全体を説明した後、特定部位のアップで身体感覚を読者に訴える」というコマ構成はエロマンガでは極めて一般的なもので、私は個人的に「大小コマ」と呼んでいます。
大小コマ
↑大小コマの一例。たけのこ星人『カクセイ彼女』「君はメイドでしかない」より


ただし通常の大小コマとリンガフランカのコマ構成の違いは、通常の大小コマでは(その名前に示されるように)ミドルショットが大きく、アップが小さくスペースを割り当てられるのに対して、リンガフランカから取ってきた例ではどちらも均等に小さめのコマになっているということです。


大小コマの通常の割り方においては、大きいコマで長めに時間が流れ、小さいコマでは短めに時間が流れる印象を与え、メリハリの効いたリズムが生まれます。一方、リンガフランカの例ではあたかもわんこそばのように間隔短く一定のリズムがキープされて情報が読者に提示されます。


結果としてリンガフランカの例では、主人公の快感が、段階を踏んで少しずつ高まっていく様子が、コマの生むリズムを通して読者にヴィヴィッドに伝わるようになっています。また、長い長い溜めを作ることで、絶頂シーンにおける大ゴマでの「解放」が強調される効果も生んでいます。



【まとめ】


というわけで、シナリオ・表現の両面から、『リンガフランカ!!』がこれまでにない実験を行っている点を論じてみました。


シナリオ面でみると、本作は結局オチの部分で明るいハーレムものとしてまとまっているので、ハーレム好きな人は今までの赤月作品以上に楽しめるのではないかと思います。ただ私個人としては、前作『なつみつハーレム』における、新機軸と旧来の赤月要素の間の軋みの面白さを思うと、本作はちょっとまとまりすぎかなというところです。むしろ表現面で本作を楽しむことができました。
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